「契約不適合責任とは?“瑕疵担保”がなくなった現代の不動産トラブル対策」

■ 契約不適合責任とは?

2020年の民法改正により、従来の「瑕疵担保責任」は廃止され、現在は契約不適合責任がルールになりました。
簡単に言うと、

「売買契約で約束した内容と、現物が違っていた場合に売主が責任を負う」

という仕組みです。

不動産売買では、設備の故障、雨漏り、シロアリ、配管不良、越境などが典型例です。


■ 契約不適合のポイント:瑕疵担保とは何が違う?

以前の「瑕疵担保」は
・隠れた瑕疵のみ対象
・買主が告知しないと発動しない
という仕組みでした。

しかし契約不適合は、
**「隠れていても隠れていなくても」**契約と違っていれば責任が発生します。

買主保護が強まり、トラブル増加要因とも言われています。


■ 売主が負う責任は“4つ”

買主は以下の請求ができます。

  1. 修補請求(修理して)
  2. 代金減額請求(値引きして)
  3. 損害賠償請求
  4. 契約解除

特に1と2は実務で最も多く、
「後から設備が壊れていた」「給湯器が使用不可だった」
などはよくある相談です。


■ 買主側の注意点(不動産会社として提示しやすいポイント)

  1. 引渡し前の内覧を丁寧にする
     設備表・物件状況確認書の内容と合わせて確認する。
  2. 不具合を見つけたら早めに書面で通知
     “引渡し後1年以内”が通常の期間。
  3. 売主が個人か法人かをチェック
     → 事業者(不動産会社)売主は責任が重い
     → 個人売主は特約で免責にしていることが多い

■ 売主側の注意点(個人売主への説明にも使える)

  1. 知っている不具合は正直に告知する
     隠しても後でバレてトラブルになると損害賠償の可能性。
  2. 設備表・物件状況確認書を丁寧に書く
     特に雨漏り歴、給排水、シロアリ、境界などは重要。
  3. 「現況有姿」があっても完全免責ではない
     契約内容と違えば責任が残るため、過剰な期待は禁物。

■ よくある実務トラブル例

  • お湯が出ない → 給湯器交換費用30万円
  • 床下が湿気で腐食 → 数十万円
  • 境界ブロックが越境していた → 是正費用と工期問題
  • 雨漏り → 場合によっては契約解除レベル

「設備故障」や「境界問題」は特に訴訟に発展しやすい分野です。


■ 不動産会社としてのアドバイス

契約不適合は、
事前の説明と書面記録で8割防げます。

  • 残置物の扱い
  • 設備の使用可否
  • 境界の現地確認
  • 修繕歴の説明
  • 引渡し前の最終確認

このあたりを丁寧に行うだけで、トラブルは劇的に減ります。

不動産会社にとっては、
「予防が最大のコスト削減」
とも言える領域です。


■ まとめ

契約不適合は、売主・買主・不動産会社の全てに関わるテーマであり、
適切な説明と書類管理が最も重要です。

特に2025年現在は、
「設備の不具合」「境界」「雨漏り」
この3つがトラブルの中心。

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堤勇太
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